増えた自助具の食器
ほんの20年前くらいまでは市販の自助具の食器と言えば「すくいやすい皿」だけでした。しかし、近年は様々なメーカーが自助具づくりに力を入れるようになり、様々な市販の自助具の食器(お皿、飯椀、汁椀)が販売されるようになりました。市販の自助具の皿、飯椀、汁椀の選択肢が増えたことは喜ばしいことですが、逆に今度はどの自助具の皿、飯椀、汁椀がご自身やご家族に適しているのかという悩みが増えているようです。そこで、ここでは様々な自助具の皿、飯椀、汁椀の説明と選び方の説明をさせていただきます。
テーブルの上に置いて使用するタイプのもの、手で持ち上げて(手に引っ掛けて)使用するタイプのもの
自助具の食器(皿、飯椀、汁椀)はテーブルの上に置いて使用するタイプのもの、手で持ち上げて使用するタイプのもの分けられます。テーブルの上に置いて使用するタイプのもの、手で持ち上げて使用するタイプものがあること知ることで自助具の食器選びが行いやすくなります。
テーブルの上に置いて使用するタイプの例
次の自助具の食器はテーブルに置いて使用します。普通の食器ではスプーンで上手に食べ物がすくえない方の食器です。
すくいやすい皿
リズムシリーズ小鉢(小)
対象
普通のスプーンまたは自助具のスプーンをつかっていて上手く食べものをすくえないと感じておられる方。
使い方
スプーンですくいやすいように皿の片方が反り返っています。そして、スプーンが最終的にその反り返りにあたるようにしてセッティングします。置くタイプの食器には大抵すべり止めがついていますが、ついていない場合は滑り止めマットを引いたり、濡れタオルを引いたりして食器がずれるのを防止します。
左手でスプーンを持つ場合は基本的に皿の反り返りが右方向になる様にセッティングします。
右手でスプーンを持つ場合は基本的に皿の反り返りが左方向になる様にセッティングします。
(※因みに脳卒中による片マヒの方でマヒしていない方の手でスプーンを使うことが出来て、マヒしている手をほとんど動かせない方は、自助具の皿を使用しなくても、普通のお皿に滑り止めマットを引いたり、濡れタオルを引いたりしてお皿がずれるのを防止するだけで食事ができます。ただ、飯椀や汁椀には滑り止めマットや濡れタイルは不向きなので、リング状の食器のずれを防止する滑り止めを使用します。)
プチエイド 茶碗まくら M ピンク
(※Sサイズもあります。普通の大きさの飯椀、汁椀だとSサイズを使用します。Ⅿサイズだとサイズが合いません。Ⅿサイズはどんぶりや大きめの汁椀などに使用します。)
食器を持ち上げて使用するタイプの例
次の飯椀、汁椀は取っ手に手を引っかけてから持ち上げて使用します。飯椀、汁椀を手で持って食べたい方が使用します。
らくらく飯椀 遊ゆう 250ml
らくらく汁椀 380ml 杢目
対象
飯椀、汁椀に取っ手がついています。普通の飯椀、汁椀を上手く握れないために持ち上げられなくても、飯椀、汁椀についている取っ手に手を挟み込んで持ち上げることが出来ます。ただし、食器を持つ方の手を口元まで持っていけ、なおかつ手のひらを自力で上に向けられる方でないと取っ手付きの飯椀、汁椀を使用できません。
使い方
取っ手と飯椀、汁椀の間に手を挟み込んで持ち上げます。
市販の自助具の食器
自助具の食器の選び方がわかれば後はサイズ、重さ、乾燥機の使用は可能かなどを確認しながら選択します。