自助具のお箸は手が不自由になられた方が使いやすいようにと考えられたお箸です。そして、近年では様々な種類の自助具のお箸が販売されています。
代表的な自助具のお箸
箸ぞうくんⅡ
箸ぞうくんⅡは箸ぞうくんⅠの後継のお箸です。右手用と左手用があります。右手用、左手用共にサイズが2種類あります。女性や手の小さい男性向きです。色は赤とグリーンです。
箸ぞうくんクリアⅡ
箸ぞうくんⅡより一回り大きい自助具のお箸です。手のサイズが普通以上の男性、手のサイズが大きめの女性向きです。右手用と左手用があります。右手用、左手用共にサイズが2種類あります。色はブラウンとピンクです。
機能とデザインを両立させた自助具のお箸です。左右兼用です。サイズ色とも上画像の一種類のみです。
楽々箸
自助具のお箸の中では一番普通のお箸に近いお箸です。左右兼用です。サイズは3種類です。色は上画像の1種類のみです。
ソフトバリアフリーはしトング式
左右のお箸の間にジョイント(接合用部品)による境がなく一体化している自助具のお箸です。左右兼用です。サイズは1種類です。色は3種類です。
(自助具のお箸と普通のお箸との違いの1つ目)
自助具のお箸と普通のお箸との違いの1つ目は、普通のお箸の場合、お箸とお箸が一本ずつ分離していますが、下の5枚の画像を見ていただいても分かるように、自助具のお箸の場合は、お箸とお箸がジョイントで繋がっているか、ピンセットやトングの様にお箸が一体化しているという点です。
このようにお箸が何らかの形で左右のお箸が繋がっていますと、手に障害をおわれた方は、普通のお箸の持ち方をする必要がなく、握る様に持つだけですので、楽にお箸を持つことが出来ます。
(自助具のお箸と普通のお箸との違いの2つ目)
自助具のお箸と普通のお箸との違いの2つ目は、普通のお箸は複雑な持ち方をして複雑な操作でお箸を開かないといけませんが、自助具のお箸の場合、下の5枚の画像の様に何もしない状態だと箸先が開いたままだという点です。箸先が開いたままですので、手に障害のある人にはとても難しいお箸を開く動作が省略できます。
箸ぞうくんⅡ
箸ノ助
楽々箸
ソフトバリアフリーはしトング式
(自助具のお箸と普通のお箸との違いの3つ目)
自助具のお箸と普通のお箸との違いの3つ目は、自助具のお箸と普通のお箸との違いの2つ目と重なる部分がありますが、自助具のお箸は、指に力を入れて、箸先を閉じた状態から力を抜くと、箸先が開くようになっていますので、健常者の様に指を複雑に動かすことがが出来なくても、お箸を持って握る力がある程度あれば、何度もお箸を開く動作を繰り返すことが出来ます。
自助具のお箸は使いやすいといってもそれぞれ難易度があります。(※後で説明しますが、操作が難しいお箸が悪いお箸で、操作が簡単なお箸がいいお箸ではありませんので、注意が必要です。)
操作が楽なお箸は手にフットしやすいつくりになっています。また、箸先がずれないようにガイド機構が備わていたり、それに類似したものが備わっています。
操作が難しくなるにつれて、普通のお箸に近い形状をしていたり、箸先がずれないためのガイド機構が備わっていなかったりします。
各自助具のお箸の難易度
箸ぞうくんⅡの難易度(易しい)
手にフィットしやすいように親指を載せる突起と人指し指と中指をあてるひれ状の突起が備わっています。
そして、お箸を更に楽に持てるようにと、下の画像の矢印のようにカーブを設けています。これにより、手(親指と人差し指の間の部分)とお箸が、密着しやすくなるので、お箸を持った時に安定感が増します。
また、ガイド機構がその割っているため、脳梗塞や脳卒中などによるマヒや関節リウマチなどによる手指の変形や筋力の低下により、手指を上手く複雑に動かせなくても、自力で手を握ったり、開いたりをある程度することが出来れば、操作が可能です。
どの程度の手の状態なら箸ぞうくんⅡが使えるかどうかですが、机の上に置いてある紙コップを握って口元まで持っていける方なら基本的にご使用いただけます。
その他、箸ぞうくんⅡは次に説明する箸ぞうくんクリアⅡ比べると大きさは一回り小さく、それに比例して重さも軽いお箸です。
親指を載せる突起や中指を載せる突起も箸ぞうくんⅡに比べると小さいです。このことから女性や手の小さめの男性がよく使用される自助具のお箸です。
箸ぞうくんクリアⅡは箸ぞうくんⅡと同じくフィットしやすいように親指を載せる突起と中指と薬指をあてるひれ状の突起が備わっています。
そして、箸ぞうくんⅡと同じく、お箸を更に楽に持てるようにと、下の画像の矢印のようにカーブを設けています。これにより、手(親指と人差し指の間の部分)とお箸が、密着しやすくなるので、お箸を持った時に安定感が増します。
また、これも箸ぞうくんⅡと同じくガイド機構がその割っているため、脳梗塞や脳卒中などによるマヒや関節リウマチなどによる手指の変形や筋力の低下により、手指を上手く複雑に動かせなくても、自力で手を握ったり、開いたりをある程度することが出来れば、操作が可能です。
そして、どの程度の手の状態なら箸ぞうくんクリアⅡが使えるかどうかについてですが、机の上に置いてある紙コップを握って口元まで持っていける方なら基本的にご使用いただけます。これも箸ぞうくんⅡと同じです。
ただ、箸ぞうくんクリアⅡは箸ぞうくんⅡに比べて一回り大きく、大きさに比例して少し重いので、手の大きさが普通以上の男性、手の大きい女性向きのお箸です。
自助具のお箸の中では扱いやすいお箸の部類に入ります。箸ノ助に親指と人差し指の付け根がフィットしやすい構造になっていたり、親指と人差し指の腹をあてるための窪みがあったりするので、箸ぞうくんⅡや箸ぞうくんクリアⅡ程ではないですが、かなりのフィット感が得られるからです。
また、箸ぞうくんⅡや箸ぞうくんクリアⅡと同じ種類のガイド機能が備わっているため箸先がずれることはありません。
そして、箸ぞうくんⅡや箸ぞうくんクリアⅡは右用、左用に分かれていますが箸ノ助は左右兼用です。
また、機能を重視しながらもデザインも重視しているお箸です。
それと、、どの程度の手の状態なら箸ノ助が使えるかどうかについてですが、机の上に置いてある紙コップを握って口元まで持っていける方なら基本的にご使用いただけます。
楽々箸はピンセット型のジョイント(接合用部品)を除けば、普通のお箸に見えます。ですので、先に紹介した箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助のようなフィット感はありませんので、操作がやや難しいお箸になります。
ただ、ピンセット型のジョイントをよく見てみると先がとげ抜きの様になっており、楽々箸を閉じたときに金具の出っ張ったところがぶつかり合うことで、お箸のずれを防止できます。
ただし、箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助のようガイド機構の様に完全に箸先のずれを防止できるものではありませんので、手のマヒの状態が比較的軽度な人でできるだけ普通のお箸に似たお箸で食べたい人、箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助などを使っていたけれどもリハビリにより手の状態が改善してきたのでリハビリ的には物足りなくなった人などが使うと効果的なお箸です。
それと、どの程度の手の状態なら楽々箸が使えるかどうかについてですが、机の上に置いてあるボールペンをつまんで、同じ机の上にあるペン入れなどに入れることが出来れば基本的に使用することが出来ます。
他のお箸とは違いお箸がジョイントで繋がっているのではなく左右のお箸が一体化しています。
また、楽々箸、箸美じん同様、箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助のようなお箸を持った時のフィット感はありませんが、箸美じんよりも軽いという特徴があります。
ただ、ガイド機構的なものは全くないので、手の麻痺(まひ)などにより手に余分な力が入ってしまうなどお箸をうまく操作できないと箸先がすぐにずれてしまいます。
また、お箸の耐熱温度が70度と低いので、出来立てのうどんやそばなどに使用するのは控えたほうがいいでしょう。
耐熱面では使用が限られてくるお箸ですが、自助具のお箸の中では操作が難しい部類に入るので、リハビリ面では手の麻痺(まひ)がごく軽度の人が手の状態を更に良くしようと、リハビリ目的に使用するには適しているお箸です。
それと、どの程度の手の状態なら楽々箸が使えるかどうかについてですが、上記の楽々箸と同じく、机の上に置いてあるボールペンをつまんで、同じ机の上にあるペン入れなどに入れることが出来れば基本的に使用可能です。
自助具のお箸を使うことのできる手の状態の最低ラインは、「操作が楽な自助具のお箸と操作が難しい自助具のお箸」の所でも述べたように、机の上に置いてある紙コップを握って、自分の口元に運ぶことが出来るです。この動作が出来れば「箸ぞうくんⅡ」「箸ぞうくんクリアⅡ」「箸ノ助」を使用できるでしょう。
また、机の上に置いてあるボールペンをつまんで、同じ机の上にあるペン入れなどに入れることが出来れば、「箸ぞうくんⅡ」「箸ぞうくんクリアⅡ」「箸ノ助」に加え、「楽々箸」「ソフトバリアフリーはしトング式」を使用できるでしょう。
そして、自助具のお箸をどれにするかは、すぐ上で述べたご自身もしくはご家族の手の状態と、以下で述べる使う目的によってかわってきます。
自助具のお箸の使用目的が「出来るだけ失敗せずに食べたい」「とりあえずお箸食事を楽しみたい」「スプーンを卒業して自助具のお箸を使いたい」などの方は、箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助の中から選ぶといいでしょう。
自助具のお箸の使用目的が「箸ぞうくんⅡ、箸ぞうくんクリアⅡ、箸ノ助などの比較的操作が容易な自助具のお箸を卒業したい」、「将来的に普通のお箸で食べたい」「できるだけ普通のお箸に近いものを使用したい」などの方は楽々箸、ソフトバリアフリーはしトング式の中から選ぶといいでしょう。
箸ぞうくんⅡ
サイズ・色:グリーン20㎝(右用、左用)、赤19㎝(右用、左用)
特徴:操作が易しい部類に入る。お箸を持った時のフィット感が良好。ガイド機構により箸先がずれない。
右手用、左手用に分かれている。
対象:脳卒中、リウマチ、手指切断など(女性や手の小さな男性向き)
適応:机の上に置いてある紙コップを握って口元まで運べる。
耐熱:100℃
材質:PBT樹脂、竹ステンレス、ウレタン、塗装漆粉(滑り止め)、シリコンゴム
その他:右用、左用あり。食器洗浄機、食器乾燥機に対応している。日本製。
箸ぞうくんクリアⅡ
特徴:操作が易しい部類に入る。お箸を持った時のフィット感が良好。ガイド機構により箸先がずれない。
右手用、左手用に分かれている。
対象:脳卒中、リウマチ、手指欠損など(男性や手の大きな女性向き)
適応:机の上に置いてある紙コップを握って口元まで運べる。
材質:PBT樹脂、竹ステンレス、ウレタン、塗装漆粉(滑り止め)
耐熱:100℃
その他:右用、左用あり。食器洗浄機、食器乾燥機に対応している。日本製。
箸ノ助
特徴:比較的操作が易しい部類に入る。お箸を持った時のフィット感が良好。
ガイド機構により箸先がずれない。左右兼用。
対象:脳卒中、リウマチ、手指欠損など(男性や手の大きな女性向き)
適応:机の上に置いてある紙コップを握って口元まで運べる。
材質:天然木(紫檀)、耐熱ABS、ステンレス、ウレタン塗装
耐熱:80℃
その他:左右兼用。食器洗浄機、食器乾燥機に対応していない。日本製。
楽々箸
サイズ・色:サイズは17cm,19,5cm,22,5cmの3種類。色は画像のもののみ。
重さ:大(22,5cm)26ℊ、中(19,5cm)20ℊ、小(17cm)16ℊ
特徴:ジョイント(接合用部品)部分を除けば普通のお箸に似ているので 操作はやや難しい部類に入る。
お箸を閉じたときに箸先がずれないようにピンセント型のジョイント(接合用部品)の先がとげ抜きのようになっている。
対象:脳卒中、リウマチ、手指欠損など
適応:机の上に置いてあるボールペンをつまんで、同じ机の上にあるペン入れなどに入れることが出来る。
材質:積層強化木、ステンレス
耐熱:110℃
その他:左右兼用
ソフトバリアフリーはしトング式
サイズ・色:20.5㎝のみ、木目、レッド、紺の3種類。
重さ:16g
特徴:他の自助具のお箸のようにジョイント(接合用部品)部分がなく、左右のお箸が一体化している。
ガイド機構はなく手に自身の意図しない余計な力が加わるとすぐに箸先がずれてしまう。
対象:脳卒中、リウマチ、手指欠損など
適応:机の上に置いてあるボールペンをつまんで、同じ机の上にあるペン入れなどに入れることが出来る。
材質:ABS樹脂
耐熱:70℃~-20℃
その他:左右兼用。食器洗浄機機、食器乾燥機に対応していない。塩素系漂白剤の使用や煮沸消毒禁止。